Re:NASOVの漆黒シリーズは、酸化発色加工と呼ばれる技術を使って、シェラカップを始めとする商品を黒くしています。
酸化発色することで、色々なメリットがありますので、どうして黒くなるのかの理由も含めて詳しく解説したいと思います。
《目次》
・塗装せずに、なぜ黒くなるのか?
・ステンレスの質感を失わない
・色落ちしない理由
・サビに強くなる理由
・紫外線に強くなり、屋外向けになる理由
・酸化発色のデメリットとは?
Re:NASOV漆黒のシェラカップは一切の塗料・染料を使わず、酸化発色という技術を使って、黒いシェラカップを実現しています。
この酸化発色加工は、ステンレス表面は、クロームを主体とした透明な酸化皮膜で覆われています。
この皮膜の厚さを0.1μm(マイクロメートル)単位で調整することで、光の干渉現象が現れ、干渉色を作りだし、黒く発色させています。
干渉色とは、身近な例で説明すると、虹色に光るシャボン玉やCDの盤面がそれにあたります。
説明するまでも無いと思いますが、光の干渉現象によって発色しているので、素材は元のステンレスのままです。
塗料などにより黒を添加しているわけではありませんので、色落ちと言う概念がないからです。
酸化発色による「黒いシェラカップ」を作った最大の理由でもあります。
塗装による方法ですと、どうしても色落ちの問題がついてまわります。
「色落ちも味わいでしょ」とおっしゃる方も居ると理解していますが、安全性の問題がないにせよ、剥がれた塗料が口に入るリスクもあり気持ちの良いものではありません。
こうした理由から、色落ちしないと言うことに拘り、辿り着いた手法が酸化発色加工だったのです。
※200℃以上の高温使用で酸化の厚みが変化し、色味が違ってくる可能性がございます。
酸化発色加工は表面の透明な皮膜の厚みを変えるだけなので、ステンレス下地の加工をそのまま活かすことができます。
鏡面仕上げ、ヘアライン仕上げなど、従来のステンレス同様に仕上げることができ、その質感も維持されます。
塗装にはない強みです。
酸化発色加工を施すことで耐食性が向上します。
つまりサビに強くなります。
もともとステンレスはサビに強いことで知られていますが、表面の酸化皮膜に守られている事がその理由です。
酸化発色加工は、酸化皮膜を通常の10〜100倍に厚くすることで干渉色を発生させる技術です。
皮膜が厚くなった分、さらにサビに強くなるわけです。
ステンレス表面の酸化皮膜は有機物と違い、無機酸化物ですので、紫外線による劣化がありません。
したがって、変色・退色の心配なく屋外使用にぴったりなのです。
デューサイクルウェザーメーター試験による耐候性の比較テストにおいても、通常のステンレスより耐候性があると認められております。
デメリットはズバリ、製造コストです。
日本で数社しかできない、非常に繊細な技術ですのでどうしてもコストが嵩んでしまいます。
通常のステンレスに比べ4倍近い製造コストは、デメリットとして捉えられますが、メリットもたくさんあるので、その価値を感じていただければ、デメリットと断言できるものでは無いかと思います。